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  • 執筆者の写真Masayuki MASUDA

「健康な不安定」が「治る」ということ

かつて取り組んでいた研究で課題があり、日々悶々とし何年も過ごした時期があった。その時期に、とりあえず大きな書店にでも行って、何かヒントになるような本がないかとさまよった。


大型書店は、さまざまな学問領域の本が揃っていて、異なる分野を簡単に行き来できるところがよかった。


その大型書店で出会ったのが、『臨床研究の道標(みちしるべ)―7つのステップで学ぶ研究デザイン』という本である。


統計学~心理学~教育学~医学と、書店をコーナーを渡り歩いているうちに出会ったものである。値段が高かったので迷ったが、悩みを解決するうえで大きなヒントになった。


このように、長期にわたってああでもないこうでもないと日々葛藤していると本当につらいいものだ。


だから、一日も早くすっきりしたいと思うのだが、「普通がいい」という病~「自分を取りもどす」10講 (講談社現代新書)で次のように書かれていた(大雑把に要約します)。


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葛藤というのは、意識のなかに○という気持ちと、それとは相いれない△という気持ちがあって、両者が対立したまま並存している状態。しかし、この葛藤していることは健康な状態。


でも人間はどうにかしてすっきりしたいものだから、○か△のどちらか一方を抑圧して無意識下に埋めようとする。


そうすると、埋められたほうが反乱を起こしてストライキに入る。こうなるとエネルギーを出してくれなくなって、疲れやすさ、倦怠感、食欲不振などが起こり、いわゆる「うつ状態」になる。


だから、抑圧しているときには「病的な安定」であって、治療としては「健康な不安定」に持っていくことになる。それが「治る」ということ。

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なるほど。葛藤は不健康な状態ではない。「健康な不安定」を嫌がらずにやっていこうと心が楽になった。








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