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執筆者の写真Masayuki MASUDA

ビジネスパーソンこそ書く技術を身につけるべき

ビジネスの世界では,文章など書くよりもPowerPointスライドなどで表現することが多いのだろう。


15年以上前に通った大学院のゼミでは,研究進捗をPowerPointスライドで報告することが禁止されていた。当初はピンとこなかったが,修士論文を執筆する過程でよくわかった。


テキストを書くのと,スライドを作るのとでは大きな隔たりがある。前者は論理一貫性などがないと,読み手にすぐにわかってしまう。議論の深さも一目瞭然である。一方で後者はスライドが流れていくので,多方面でごまかしがきく。


少し前にアマゾンの創業者が社内でPowerPointスライドの使用を禁止しているという記事が目についた。


アマゾン創業者が「パワポ」を禁止した納得の理由【書籍オンライン編集部セレクション】


この記事によれば,ストーリーが単線的に進行するスライドを使って,いくつものアイデアを関連づけて議論しようとすることには無理があり,細切れの文章では,アイデアの奥行きを表現しきれないというのがあるらしい。パワーポイントは物事を単純明快にするどころか,重要な意味があるはずの行間をめぐる議論の機会を奪ってしまうとしている。


したがって,ビジネスパーソンこそ書く技術を身につけたほうがいい。しかし,文章を書く方がPowerPointスライドを作るよりもはるかに難しくストレスもかかるからやっかいである。


大学院などで論文を書くトレーニングを積むのはおすすめであるが,進学する人は極めて限られているのが実態である。


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