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  • 執筆者の写真Masayuki MASUDA

ジョブ型vsメンバーシップ型

学者や研究機関にいる専門家らによって書かれた「ジョブ型vsメンバーシップ型」論に関する書籍を紹介したい。



本書で第2章を執筆した濱口桂一郎氏(労働経済研究・研修機構所長)の記述がとくに勉強になった。


濱口氏は、「ジョブ型」「メンバーシップ型」と言葉を作った張本人である。濱口氏によれば、ジョブ型社会の賃金制度とは、職務評価による固定価格制であるとしている。


すなわち、座るヒトではなく、椅子に値段(賃金)が張ってあるのだ。そして、その値段というのは、「職務評価」によって決定される。職務を評価し、どのくらいの値付けをしたらよいのかを考えるのである。


しかし、圧倒的に大部分の日本人が誤解しているのは、職務評価を「ヒトの評価」であると考えている点である、と濱口氏は指摘している。


たしかに「職務評価」と聞くと、真面目に仕事に取り組んできたかとか、成果を上げてきたかなどが、上司から評価されるイメージを持つ人も一定数いるだろう。


日本の多くは、メンバーシップ型雇用における「職能給」です。年齢とともに上がる「能力」で年功昇給する。濱口氏は、この見えざる「能力」は上がることはあっても下がることがないので、中高年の人件費と組織への貢献が乖離していくという。

こうしたことが、近年よく言われる「働かないおじさん問題」などの根源なのだろう。


いずれにしても、「ジョブ型」「メンバーシップ型」に関する議論は、前提となる知識不足や誤解も多い。したがって、正しく理解して、われわれの社会のあり方について議論を進める必要がある。




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