プロフェッション(専門職)とはなにか?
- Masayuki MASUDA
- 6 日前
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給料をもらって働いている身として、日頃からプロらしくありたいとは思ってきたが、そもそもプロフェッションとは何のことなのか。
藤本昌代著「専門職の転職構造」によるとプロフェッションの概念は多様な定義があって、一義的に表すことは難しいとある。
一般に専門職といえば、医師、弁護士、会計士など、国家資格を取得して就いている職業のことをイメージするだろう。
そもそもプロフェッションは、12-13世紀ごろのヨーロッパにおいて、大学が勃興したころに出現しはじめており、教会と強く結びついた職業だったそうだ。たとえば、伝統的な職業として聖職、医師、法律家などがある。
ただ、現在では伝統的な職業ばかりでなく、記者・編集者、研究者、技術者、著述家などが専門職に含まれるようになっているとされる。
この本では、専門職の要件として次の5つを挙げている。
①体系化された専門知識や技術の習得,②仕事へのコミットメント,③同僚への準拠,④職業団体による専門分野の評価システムの存在,⑤標準化されない仕事である。
③と⑤については若干説明が必要だろう。
③の同僚への準拠とは、自分の行動や判断を同じ専門職の仲間(同僚)やその職業集団の基準・期待に照らしておこなうことをいう。
たとえば弁護士なら、クライアントが違法な手続きを求めても法曹界の倫理規定や慣行に従って断固拒否するなどがある。
⑤の標準化されない仕事とは、マニュアル化や機械的処理が難しく、高度な専門知識や判断力、倫理観を要する仕事をいう。
本書は、その専門職の人々が組織内でどのように移動可能性を判断し、それを制約・促進する要因がどう作用しているかというメカニズムを明らかにしたものである。専門書なので読者層は極めて狭い範囲になるが勉強になった。

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