世界で勝負した日本人
- Masayuki MASUDA
- 2024年9月28日
- 読了時間: 2分
今回は、1970年代に世界GPに参戦して世界と勝負した元GPライダーの根本健さんの本を紹介したい。
根本さんは、グランプリから帰国後、国内初の本格オートバイ雑誌「Riders Club」の編集長を長く勤められた。
1970年代前半は日本国内では満足にGPの情報など得られなかった時代だろう。その時代に、オートバイメーカーの支援を受けずに、プライベートライダ―として欧州に渡った強者である。
メカニックとたった二人でヨーロッパ中をバンで旅をしながら、グランプリを戦ったのである。そのバイタリティーは凄まじいものがある。
このように書くと、根本さんはさぞ尖った人物かと思いきや、とても知的かつ繊細で、実に温かなお人柄が文章からにじみ出ている。
本書以外に、ライディングテクニックに関する本を多数執筆している著者だが、その卓越した理論に10代の頃の僕は魅了された。そして自分もいつか世界に出て勝負したいと思った。
その根本さんでさえワールドチャンピオンに手が届かなかった。
世界チャンピオンになるようなライダーは、自らの勝利のためには周囲を蹴落とすことも厭わないし、空気なども読まずに、非情に徹することができるエゴイストの一面があると思う。
もう一ついえば、根本さんも「グランプリを走りたい」という気持ちはあったが、「グランプリで勝ちたい」「勝てる」までは、イメージができなかったのだろう。
これは、先のオリンピックでメダルを量産したフェンシング競技などにもいえるが、かつてはオリンピック出場を目標にはできても、オリンピックで勝つというイメージはまったくなかっただろう。
だから勝てなかった、というものあるはずだ。
では、具体的にイメージできるレベルに達するにはどうしたらいいのか、よくわからないが、イメージが結果に影響を及ぼす可能性があるだろうから、妄想力のようなものを馬鹿にはできない。

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