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任せる人を間違えない

  • 執筆者の写真: Masayuki MASUDA
    Masayuki MASUDA
  • 5月10日
  • 読了時間: 2分

本書は,個人の転職という行動を科学的なアプローチで「転職学」にまで発展させた良書ある。


著者たちの調査によれば,一般の就業者は一人あたり4.03個の不満を職場にたいして抱えている。一方で,1年以内転職者は一人当たり6.70個の不満を抱えていたことがわかっている。


本書では,不満(転職への不満が高まる)と転職力(外の世界で活躍できる可能性が高い)の掛け算が,転職への抵抗感を上回ったときに転職行動が起ると主張する。


それでは転職につながりやすい「不満」とはいったいどのようなものだろうか。      本書の調査による上位5個は以下のとおりである


①直属の上司からのハラスメントがある,②メンバー間でハラスメントがある,③直属の上司の態度が高圧的だ,④サービス残業が多い,⑤組織全体の雰囲気が悪い


これらはほとんどが職場の上司に起因していることがわかる。すなわち,組織にまっとうな上司がいれば,転職につながりやすい「不満」は起きにくいのである。


本書の素晴らしいところは,さらに突っ込んで問題を検討していることだろう。本書は,「不満」そのものというよりも,「不満の変わらなさ」が問題であると指摘する。


つまり,多少不満があっても,それが近い将来解消されれば,いちいち転職など考えずに踏みとどまる者はいる。


しかし,いつまでたっても問題のある上司が変わらないとすると,転職の抵抗感が少なく,転職力のある者は自分が出ていくほうを選択する。


労働力不足の時代にあって,人材を確保するだけでも大変なのに,せっかく確保した(力量のある)人材たちが組織から離れていっては元も子もない。しかし,組織を任せる人材を誤ると,人材流出は止まらない。


すなわち,「誰に組織を任せるか」を誤ったら人材の流失で組織の未来がなくなるである。任せる人材をどのように「間違えずに選ぶか」が問われている。




 
 
 

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