努力至上主義や精神論に陥らないように
- Masayuki MASUDA
- 2024年3月1日
- 読了時間: 2分
ロングセラーの古典で名著ともいえる『失敗の本質』という本がある。
その本の内容を整理して、とても読みやすく解説している本が、鈴木博毅著「「超」入門 失敗の本質 日本軍と現代日本に共通する23の組織的ジレンマ」(2012)ダイヤモンド社である。
本書を読むと、変わらない日本人的な思考や行動特性が手に取るようにわかると思う。そこに日本の多くの組織が直面している課題解決のヒントがある。
たとえば、日本の得意な「プロセス改善」がある。これは、スタートラインとなる思想・手法を同じままに、プロセスを最大限改良することで、成果を上げることをいう。
スポーツに例えると、1日10時間練習して素晴らしい成果を上げたなら、次は1日20時間練習すれば2倍の成果が上がるだろう、と考えることだ。
著者はこのようなプロセス改善での成功体験は、努力至上主義や精神論と大変結びつきやすい性質があると指摘している。
昨今話題にあがっている某自動車メーカーにおける組織的な不正行為の根本には、こうした努力至上主義や精神論が根本にあるように思う。
どんなにしっかりと取り組んでも、想定どおりにも物事が進まない場合はある。
そのようなときに「成果が出ないのは努力が足りないからだ」と考えずに、「想定した目標と問題自体が間違えているのでは?」とダブル・ループ学習ができれば致命的な事態が避けれるだろう。
本書では、このダブル・ループ学習が機能するためには、現場が直面している問題について、組織の上層部などが正確に理解できることが前提であるとしている。
組織の上層部が努力至上主義や精神論ばかりでは、現場は疲弊し不正もなくならず、誰も幸せにならないことは明らかである。そうならないためにも、組織をリードするような人材こそ学び続けてほしい。

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