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  • 執筆者の写真Masayuki MASUDA

大人の教養を身につける

「哲学」こそ大人の教養としてぴったりな学問だろう。でも実は多くの人がその難しさに挫折した経験がある。


しかし時代は変わって、その難しい「哲学」をわかりやすく解説してくれている良書が世の中には結構ある。


NHK出版 学びのきほん 「哲学のはじまり」は、まさにそんな本である。


哲学を英語でいうと「Philosophy」であることを知っている方は多いだろう。しかしその語源が「知を愛する」という意味であるとご存知だっただろうか。


同書の筆者は、哲学は「当たり前」-つまり常識を問い直す学問であると述べている。常識を問い直すということは、それまでなぜ正しいのか分からなかった常識が、なぜ正しいのかを考えることだという。


考え抜いた結果、行き着いた答えは平凡でも、哲学をすることで、自分なりに理屈を持って説明できるようになることに意味があるそうだ。


そして、すべての学問の土台になるのが哲学なのである。たとえば、生物学では、「どんな生物も自分の子孫を残そうとする本能を持つ」という常識(前提)がある。


哲学は、そもそも「生物とはなにか」「本能とはなにか」を問う。つまり、他の学問が議論の出発点としている知識をも、考察の対象にできるのだ。


本書では、哲学で学ぶべき三つの領域として以下を挙げている。

・存在論(〇〇とは何かを問う領域)

・認識論(どのように〇〇を知るのかを問う領域)

・価値論(よい○○とは何かを問う領域)


これらがそれぞれ平易な文章で説明されているが、たやすく理解できるわけではない。それなりにアタマに汗をきつつ読むことになる。


GWの楽しみにはやや不向きかも知れないが、大人の教養としては押さえておきたい分野である。




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