top of page
検索
  • 執筆者の写真Masayuki MASUDA

忖度のない学問の世界の意義

本書は,故寛人親王殿下の第一女子である彬子女王の留学体験記である。赤と青のガウンとは,オックスフォード大学で博士号を取得した人たちが学位授与式でまとうものだそうだ。

彬子女王は,皇族の女性で初めて博士号を取得した方であるが,学位取得の道のりは大変厳しいものであったことが書かれている。


学問のいいところは,皇族であろと一般市民であろうと忖度のないところだろう。通らないものは通らないし,だめなものは徹底的に批判もされる。本書を読んでそのことがよくわかった。世界中でそのような研究の営みが行われている。悪く言えば融通が利かない世界であるが,だからこそ科学は進歩して人類の発展に寄与するのだろう。


彬子女王も博士論文の執筆で毎日格闘するが,一日中PCの前に座ってたったの五行しか書けなかった日もあった。レポート課題の締め切りを前に,時間がだけが経過するがまったく筆が進まなかったという苦しい経験を持つ人は多いだろう。レポートなら数時間,数日の苦しみかも知れないが,博士論文はそうしたプレッシャーに長期間向き合うので精神的に厳しい。彬子女王もついにはストレスで胃炎を患ってしまった。


最後に,本書はとても良い本でアマゾンのレビューなども極めて高いのだが,すでに絶版のようで中古本も非常に高い値段がついている。図書館などで借りて読むのが現実的だろう。





閲覧数:4回0件のコメント

Comentários


bottom of page