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  • 執筆者の写真Masayuki MASUDA

次元が違うプロ将棋の世界

藤井聡太さんの活躍で,近年大きな盛り上がりを見せている将棋の世界だが、将棋のプロの世界は半端ではない。


これほどまでに過酷な世界であったとは、大崎善生著『将棋の子』をを読むまで知らなかった。本書の紹介をしているAmazonでは,次のように書かれている。


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奨励会……。そこは将棋の天才少年たちがプロ棋士を目指して、しのぎを削る”トラの穴”だ。しかし大多数はわずか一手の差で、青春のすべてをかけた夢が叶わず退会していく。途方もない挫折の先に待ちかまえている厳しく非情な生活を、優しく温かく見守る感動の1冊。第23回講談社ノンフィクション賞受賞作(講談社文庫)

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日本中の将棋の天才たちが,ひとたび入会すればたちどころに普通の人間になってしまう奨励会とは,なんとすごい(そして恐ろしい)ところなのだろう。


たしかに,「プロ」と名のつくところは,野球であれサッカーであれ,同じような側面を持っているだろう。


僕も給料をもらって働いているプロだと自認しているが,本書の世界でいうところのプロとは次元が違いすぎて、プロを語るのも恥ずかしいくらいである。


プロならあたり前に日々必死に努力しなければならないが、そこまでやれていないからである。


たまにスポーツ選手のセカンドキャリア支援が話題になることがあるが,本書を読むと棋士のセカンドキャリア支援も大切に思える。


若き将棋の達人たちが、たとえ夢破れても実務の世界で活躍してもらいたい。適正もあるだろが、上手くはまれば組織にとって素晴らしい戦力になる可能性がある。


とはいえ、多くの組織は個性のある人材を活用するのが苦手である。棋士ではないが、たとえば学術の世界で博士号を取るような「やや年齢を重ねた人」たちは、一般的に「使いにくい」とされて敬遠されてきた。


たしかに棋士も博士も相当個性的なのは間違いないだろう。しかし、ある分野で突出した能力を持つ人を活かせる組織が増えてほしい。イノベーションは、そのようなところからも起こる可能性があるのだ。




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