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  • 執筆者の写真Masayuki MASUDA

葛藤していることは健康な状態

大学院時代は何年も葛藤をかかえていて悩み続けていた。行き詰って悶々とするので、大きな書店に行って何かヒントになるような本がないかとさまよった。


大型書店には、さまざまな学問領域の本が揃っていて、異なる分野を簡単に行き来できるところがよかった。たとえば、統計学~心理学~教育学~医学~社会学のコーナーをうろうろした。


そのなかで、つらい状況を打破してくれるありがたい本たちにしばしば出合った。それは不思議と自分が研究している分野ではなく、他の分野の本たちだった。


いずれにせよ、長期にわたって「ああでもないこうでもない」と葛藤を続けるのは本当につらいものである。そのうち心から笑うことができなくなった。いまでも、その後遺症を少し引きずっている。


一日も早くすっきりしたいと思っていたところ、精神科医の著者が書いた「「普通がいい」という病~「自分を取りもどす」10講」に出会った。本書には大雑把に以下のような記述があった。


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葛藤というのは、意識のなかに○という気持ちと、それとは相いれない△という気持ちがあって、両者が対立したまま並存している状態。しかし、この葛藤していることは健康な状態。


でも人間はどうにかしてすっきりしたいものだから、○か△のどちらか一方を抑圧して無意識下に埋めようとする。


そうすると、埋められたほうが反乱を起こしてストライキに入る。こうなるとエネルギーを出してくれなくなって、疲れやすさ、倦怠感、食欲不振などが起こり、いわゆる「うつ状態」になる。


だから、抑圧しているときには「病的な安定」であって、治療としては「健康な不安定」に持っていくことになる。それが「治る」ということ。

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葛藤だらけだった自分は、精神医学的に健康な状態のようなので、少し安心した。なので、葛藤を恐れず健康な不安定と向き合っていけるようにしたい。




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